鳥の糞の悪臭、鳴き声による騒音、民家や工場での巣づくりなど、「鳥害」は近年ニュースで頻繁に目にするほど深刻な社会問題になっています。
とはいえ、かつては山や森で生息していたハトやカラス、ムクドリなどが都市部に進出するようになったのは、もとはといえば人間が自然環境を変化させたことが原因でもあります。
たとえ鳥害で困っていたとしても、人間の身勝手で鳥を傷つけていいわけがありません。生態系を守る意味でも、現代の鳥害対策は「鳥と人との共生」をめざす必要があります。
ちなみに敷地内にできた巣の中に卵やヒナがいる場合、野鳥保護の観点から勝手に巣を撤去することは法律で禁じられています。
そうなる前に「鳥が自ら近寄ってこないような対策」が必要です。
今回は、鳥と人間との共生を視野に入れた5つの鳥害対策と、鳥を傷つけないアイテムを分かりやすく解説します。
一番メジャーな対策、バードピン(剣山型の防鳥ピン)
おすすめポイント
- 鳥の着地を物理的に防止できる
- さまざまな場所に簡単に取り付け可能
- 女性でも設置しやすい
鳥が止まりそうな場所にバードピン(剣山型の防鳥ピン)を設置し、物理的に着地できないようにする対策方法です。
鋭利なピンではなく、鳥を傷つけないよう先端がとがっていない形状の防鳥専用バードピンを選ぶことがポイントです。
ボンドや結束バンドで巻いて止めるなど、女性でも設置しやすいので一番メジャーな対策といえます。マンションのベランダ、エアコン室外機の上、出窓部分や窓の庇など、限られたスペースの割に被害が多い場所や、ネットで覆うことができない場所におすすめです。
大きい鳥の着地を防ぐピン(剣山)の部分にある程度の長さが必要です。その場合、設置場所が目立ってしまい、多少美観を損なうというデメリットもあります。
100円ショップでも樹脂製のバードピン(剣山型の防鳥ピン)が販売されていますが、雨風にさらされる場所での使用は劣化に要注意です。
当社のバードピン(BF3バードピン)は、ピンの先端が鳥を傷つけない形状であることはもちろん、ステンレス素材で美観を損ねないシンプルなデザインが特徴です。
土台部には樹脂を使用しているので、劣化や悪環境にも強く、長期間利用できるコスパの良さもポイントです。石材、木材、タイル、金属、コンクリートなど、さまざまな場所に設置することができます。
他にも、より劣化に強いオールステンレスタイプ、ピンが垂直になっているオール樹脂タイプなど、さまざまなタイプがあります。
当社の製品は、鳥の種類や対策範囲に合わせて、ピン幅や高さ、カラーバリエーションを選ぶことが可能です。バードピンの種類や選び方については今後詳しい記事を投稿いたします。
鳥の侵入を確実に防ぐ、バードネット(防鳥ネット)
おすすめポイント
- 空間への物理的侵入を確実にシャットアウトできる
- 鳥だけでなく、あらゆる野生動物の侵入を防除できる
- 広範囲に対策できる
鳥に侵入して欲しくない場所にバードネット(防鳥ネット)を設置し、物理的な侵入を防ぐ対策方法です。
バードネットは特に、マンションのバルコニーやビルの開口部、工場の屋根部分など、広い面を防ぐ場合に効果的です。鳥だけでなく、あらゆる野生動物の侵入を防除できるので公共施設や神社・仏閣などでも導入されています。防鳥対策として建物を設計する時点から組み込んでおけば、かなり高い効果を発揮します。
広範囲をネットで覆うことになるので、太くて目立つネットだと見栄えが気になるという側面もあります。
ベランダなどは自分でネットを貼ることも可能ですが、雑に設置をすると風雨の影響でネットが外れたり、隙間ができたりするので注意が必要です。鳥は狭い隙間を見つけるのが得意なので、しっかり施工することが大切です。高所などの設置の難易度が高い場所は、プロに依頼する方がいいかもしれません。
鳥がネットに絡まり傷つくことがないよう、対象の鳥に適した目幅をアドバイスしてもらいましょう。
当社のBF3バードネットは、鳥の種類ごとに目幅が設計されているので、鳥が絡む事はありません。極細で軽いネットなので圧迫感もなく、美観を損ねません。一般家庭のバルコニー用にボンドや結束バンドがセットになったものも販売しています。高所など施工を伴う場合でも、場所に応じて足場を組まない取り付け方法も選択できますので、コストを抑えることが可能です。
また、BF3バードネットは5年間の効果保証がついているのもポイントです。実施後に鳥の侵入、停滞などが確認された場合は無料で改善処置を行なっています。
他にも、強度や耐久性が強く強風・積雪など厳しい環境に適したタイプ、オールステンレスで劣化や錆に強いタイプ、高い耐火性のある防炎バードネットなど、さまざまな種類を取り揃えています。
BF3バードネット オールステンレス50(オールステンレス防鳥ネット)
防鳥ネットの取り付け方や使い分けについては、今後詳しくまとめた記事で紹介していきます。
被害が起こる前の「防鳥対策」として、設計段階での織り込みがおすすめです。
鳥に過度な刺激を与え建物を
「危険地帯」と認識させる、電気ショック
おすすめポイント
- 微弱電流で、鳥を寄せ付けない
- 屋上全域など広範囲に有効
- 鳥害が起こる前の防鳥対策として一番効果的
微弱な電気ショックで鳥に適度な刺激を与え、鳥の飛来を防除する方法です。
電気ショックといっても強めの静電気程度のもので、痛めつけることが目的ではなく、慣れない刺激を体感させることが目的です。
飛来し電線に触れた鳥は「ここに止まると大変なことになる!危険地帯だ!」と認識し、建物やそのエリアに寄り付かなくなります。鳥害が起こる前に事前に対策する「防鳥対策」として一番効果的な対策といえます。
ただし、導入にはそれなりにコストがかかるので、ビルや工場、倉庫など大きな建物で導入されている方法になります。雨が溜まった箇所で放電するなど、施工後のトラブルもゼロではないので、製品を選ぶ際には注意が必要です。
当社のBF3鳥類用電気ショックも、もちろん微弱電流なので、鳥を傷つけることなく飛来を防ぐことができます。ソーラーパネルによる逐電で、省エネかつメンテナンスフリーで導入できるのもポイントです。雨水センサーを付けるなど、改良を重ねた高品質な製品をご用意しています。
BF3鳥類用電気ショックも5年間の効果保証、製品保証、メンテナンス保証の対象なので、安心して長期的にご使用いただけます。
建物の美観と鳥害対策を両立させる、
バードワイヤー
おすすめポイント
- 鳥の着地を物理的に防止できる
- バードピンに比べ、美観を損ねない
- 広い範囲で設置でき、コスパが高い
ステンレスワイヤーを使用し、物理的に着地できないようにする対策方法です。
接近した鳥の着地を防ぐだけなので、鳥を傷つける心配はありません。
ベランダの手すりやパイプ状の場所、建物の屋上の外周などにおすすめです。バードピン(剣山型の防鳥ピン)より効果は多少低くなりますが、見た目がすっきりしていること、設置が長い距離になる場合、コストパフォーマンスが高くなるのがポイントです。防鳥対策として設計段階で取り入れるのもおすすめです。
当社のBSバードワイヤーは、耐久・美観面を強化した、スマートで実用性の高い防鳥ワイヤーを取りそろえています。土台と支柱が溶接で一体になった当社オリジナルのT型ステイを使用するので、強度があり緩みにくいのが特徴です。
鳥が嫌がる臭いを発する、忌避剤(バードジェル)を塗布する
おすすめポイント
- 鳥が生理的に嫌がるジェルで停留を防止できる
- ジェルを塗るだけなので簡単
- さまざまな場所で対策できる
忌避剤(バードジェル)は、嫌な臭いや、踏んだ際のベトベトとした触感など、鳥が生理的に避けたくなるジェルを塗ることで、「不快な場所」と学習させ、停留を防止する対策です。
手すりや室外機の上など、要所に塗るだけなので簡単に取り入れることができる対策です。
ただし、すでに巣を作っているなど執着心が強い場合は、あまり効果がありません。鳥が踏みつけ、付着することで効果があるアイテムなので、その分ジェルの量が減っていき、効果をずっと持続させるためには定期的に塗り足していく必要があります。環境にもよりますが、約1年でジェル表面が膜を張ったようになり効果が弱まるので、交換することをおすすめします。
また、製品によっては、雨が降った場合にジェルが流れてしまう、埃などでジェルが黒くなり流出して白い外壁に黒い油筋が出るというケースもあります。
当社のBSバードジェルの主成分は植物エキス(食品添加物)と保湿剤(医薬品添加物)で鳥はもちろん、人や他の動物への悪影響はありません。
鳥が嫌がる植物臭(嗅覚)、忌避剤の見た目による危機感(視覚)、ジェルが付着した時の不快感(触覚)、付着したジェルをくちばしで取る時の嫌な味(味覚)、4つの感覚において鳥が嫌悪感を抱くよう作られた忌避剤です。
雨風で流出しにくいよう改良を重ねており、200℃の高温でも流出することはなく、一般住宅から、商業施設、病院、学校、工場など、さまざまな建築物で利用することができます。また、目立たない半透明のジェルで、黒くなりにくく、美観を損ねることのない対策が可能です。
鳥害対策は早めが肝心!
未然に予防する施工時の防鳥対策も重要
鳥を傷つけることなく対策できる5つの方法をご紹介しましたが、鳥の種類や建物の構造、被害レベルによっても効果は変わってきます。また、すでに巣を作った後など執着心がついてからだと効果がない場合もありますので、そうなる前になるべく早めに対策を打つことが肝心です。
特に、たくさんの人が訪れる公共施設や商業施設、大事な製品を取り扱う工場や倉庫などは、鳥害が起きてしまってからでは手遅れになる場合もありますので、新築の施工段階から防鳥対策を折り込むことがおすすめです。
フジナガは、「鳥と人との共生」を社是とし、鳥を傷つけない鳥害対策アイテムの開発や、鳥の生態保全を前提とした鳥害対策の推進に取り組んでいます。
鳥の生態を熟知した上で、効果的な対策をご提案することが可能ですので、鳥害にお困りの際はぜひご相談ください。